【結婚相談所男性カウンセラーの本音】「結婚したい彼女の場合 ~コロナ禍の婚活漂流記~ 」
「結婚したい彼女の場合~コロナ禍の婚活漂流記」とは
先日、日曜の午後14時からフジテレビで放送されている「ノンフィクション」
に婚活が取り上げられました。
この回は大好評で、ネットニュースでも取り上げられ、芸能人もコメントをするなど、婚活に関心がある人の間で大きな盛り上がりを見せていました。
前編
後編
主人公ミナミさんてどんな人?
【基本スペック】
・飲食店従業員
・30歳
・私立女子中高卒、私大法学部卒
・月収手取り13万円
・専業主婦希望
・交際経験ゼロ
・宝塚、絵を書くことが趣味
【その他】
・専業主婦希望のため高年収男性とのマッチングを希望している
→40代半ば・後半くらいの男性とお見合いしている
・一人暮らしをしたことがない
→ずっと実家ぐらしで、家事をしていない。結婚相談所に指摘され、結婚のため自分の食事は自分で作る練習をしている
・家計についての知識に乏しい
→結婚相談所に言われて結婚後の生活について家計簿を作ってきたところ、お相手男性の年収ではやっていけないことが判明。家計簿の中には、自分の宝塚の趣味の費用が毎月計上されていた模様。
TVでミナミさんはどんな婚活をいていた?
・結婚相談所のカリスマカウンセラーに師事し、メモをとりながら話をきく、生真面目さを発揮。
・不動産経営をしている、40代後半くらいの、ひ弱そうな男性と仮交際になる。彼との交際中に、もう少し若い年収低めの介護士の男性ともお見合いをして、介護士男性の方に心を奪われてしまう。(その間、誕生日に、不動産経営男性からちゃっかり指輪をプレゼントされる)
・カリスマカウンセラーに、「介護士男性が相手だと専業主婦になるのは難しい」と言われるが、心を奪われている
・介護士男性の自宅でデートをした際、座布団が古かった?電気の明かりが暗かった?という節約の生活感にうちひしがれ、あっさりと介護士男性をお断り。
・不動産経営男性との交際を深め、両家挨拶の段取りまでいくが、新居探しで不動産屋に入ったときに、ミナミさんの体調がわるくなる。その際、介助した不動産経営男性が「僕もパニックみたいになることあるよ」と発言したことがきっかけで、不動産経営男性の「パニック障害」を疑いはじめ、相談所に不信感を抱き、猛烈クレームへ。
・カリスマカウンセラーとミナミさんの対立。しかし説教され和解、不動産経営男性にも謝罪。
・しかし交際は結局破断になる。
結婚相談所の男性カウンセラーが本音でコメントしてみる
彼女は、カリスマカウンセラーぐらいの人に全力で師事しないと成婚は無理。
ただし、支持する相手は、マリーミーの植草さん以外の人がいいかも。
少し深堀りしていくと、
まず、ミナミさんのスペックが終わっています。
・30歳交際経験ゼロ&女子校
・ずっと実家ぐらし&家事能力ゼロ
・自分のやりたいこと(仕事)を見つけられていない
・仕事が苦痛
・専業主婦希望
もちろん、上のようなスペックでも、男性とうまくやっていけるメンタリティーの女性はいます。そういう方はなんとか成婚できます。
ただし、結婚相談所にくる上記スペックの方は、十中八九、男性のこと、結婚のこと、家事のこと等、まったくわかっておらず、手に負えない状態です。
この破滅的な状態を「婚活」というステージを修行の場として、変えていかなければなりません。
もう少し見ていきましょうか。
・30歳交際経験ゼロ&女子校
実は、ミナミさんは特殊な例ではなく、30代交際経験ゼロの女性は、わりとミナミさんのような女性が多いです。
20代前半で交際経験ゼロの人は、なんとかなります。20代ならギリギリセーフ。ただし、30歳まで交際経験ゼロをこじらせている人は、そのままアラフォーまでいく人が多数です。
女性と交際経験ゼロの30代男性が、婚活しようと思ったら、一から女性との接し方を学ばなければいけません。同じく、男性と交際経験ゼロの30代女性も一から男性のことを学ばなければなりません。
ただし、これがめっちゃ難しいんです。よっぽど覚悟を決めないと、女性はすぐにしんどい婚活から逃げていきます。せっかく入会した結婚相談所でもほぼ活動をせずにやめていくケースがそれなりにあります。35歳以降交際経験ゼロ女性になると、現実逃避する人はかなりの高確率です。
(はじめのハードルは理想が高いことが原因で、希望の男性とお見合いが組めないこと)
そういう意味では、ミナミさんは、お見合いも組めており、婚活の入り口の段階はクリアできている様子です。
まあ、でも、本当に「入り口」ですけどね。
・ずっと実家ぐらし&家事能力ゼロ
まぁ~、これもしんどいですね。
交際が深まってきて、結婚を意識するタイミングになってくると、このマイナスが顔を出します。
結婚前の段階なので、家事能力を披露する機会はないんですが、実家ぐらし&家事能力ゼロの女性は、結婚後の生活を具体的にイメージできず、苦労します。
なので、大きな要因を無視して、交際を進めたかと思えば、ちょっとしたことが原因で交際を終了してしたりします。
つまり、ピントのずれた婚活になりやすいということです。
・自分のやりたいこと(仕事)を見つけられていない・仕事が苦痛・専業主婦希望
この3つは、根は同じです。
一昔前、昭和の時代なら、こういう女性も普通に結婚していたんでしょうが、共働きが当たり前の令和の時代は、専業主婦希望の女性は男性から敬遠されます。
30代年収600万円男性(好条件)でも、専業主婦希望の彼女と結婚したら、世帯収入は600万。
400万+300万のカップルより節約生活を余儀なくされてしまうのです。
そういうこともあって、ミナミさんは、年の離れた40代なかば以降男性をターゲットにしているのだと思います。
私が担当カウンセラーだったらどうするか。
まず、彼女との信頼関係をきちっと作るのがファーストステップになります。
信頼関係がないところに、何のアドバイスも受け入れられませんからね。
信頼関係ができたら、まずは、仕事についてキャリアカウンセリングを行うと思います。
彼女の婚活のネックは、仕事したくない→専業主婦希望→かなり年上高年収男性希望となっているところです。
TVで見る限り、不動産経営男性は、けっこうひ弱な感じで、親から受け継いだ不動産を管理しているだけの人なんですね。
いくらかなり年上を視野にいれても、ミナミさんが、こういったタイプ(自身も経験に乏しいタイプ)以外の高年収男性とうまくいくのは現状では考えにくいです。
ミナミさんの人生のアキレス腱になっている「仕事」についてカウンセリングを行い、仕事に対する意識を改善することができれば、相手候補は格段に広がります。
さらに、ミナミさん自身、年が近い介護士男性に恋心を抱くなど、心のそこでは、普通の恋愛を欲しているフシがあるのです。
私立中高、私立法学部を卒業しながら手取り13万円の飲食関係の仕事をしているミナミさん、TVでは、お見合いの相手にそのことを指摘され、気分が沈んでいる様子も放映されていました。
涙ながらに「だって、現実が学校で教えられたとおりになってないじゃないですか」というセリフも。
場合によっては、転職サポートしますね。
手取りが上がらなくても、より自分の好きな仕事、より自分の希望のスタイルで働ける仕事にチェンジして、仕事に対する意識がかわれば、お相手の範囲、婚活の内容がかわります。
彼女が入会している結婚相談所の口コミ
TVでは、わがまま婚活女性を支えるカリスマ婚活アドバイザー風に番組が構成されていましたが、彼女が所属している相談所の口コミは下の通りです。
彼女はぶっちゃけ入会する相談所から間違えてるんですよ。
普通の相談所に入会したら、彼女の当初の希望どおりの相手とお見合いして成婚させようなんて思いません。(まずうまくいかないし、結婚後の生活だって幸せになれるかは不明。だって相手のお金目当ての結婚でしょ。)
この構図って、結婚相談所の利益(高齢高年収男性に若い女性をあてがう)にもマッチしてるんですよ。
彼女には、一度立ち止まって、婚活の仕方を変えてみることをオススメしたいです。